望む ものは 何ひとつ ない―――探す ヒトも 誰ひとり ない あの 僕には決して、笑い顔を向けない。 他の仲魔には、笑いかけるのに。 ときどき、誰も近寄れないような気を発している。 そんな時はいつも以上にあの紋様が光を放って、瞳が金に、そして赤に輝いて。 その美しさに周り中の悪魔があの あの 怖くて聞けなかったことを聞くため。 きっとあの 嫌われたのなら、憎まれたのなら、それでもいい。 飽きられたのでも、それでも、いい。 このまま一言もあの 酷く魘されていたあの人を揺り起こして。 でもやはり黙ったままのあの 表情を隠した罪に与えられた罰は、甘くて、苦かった。 触れられることもないと思っていた指。 重ねられることもないと思っていた唇。 そうして刹那の喜びは、ぬばたまの闇に堕ちる。 「大好きなヤツの夢、だよ」 ―――あの 望むほどに 消える夢です――― 探すほどに 逃げる愛です Ende ボルテクスtop お前を失う夢を、見ていた |