|
愛とは何か、本当は私には分かりません。 愛というのは、執着という醜いものにつけた仮りの、 美しい嘘の呼び名かと、私はよく思います。 伊藤整「変容」 ◇◆◇ 共に気を放ち、繋がりを解いた後も、 己の主人をその腕と翼で抱きしめたまま離そうとしない天使に。 人修羅はまだ擦れた声で問うた。 「今まで、何度、 ――― 頭の中で。 「・・・何度も」 その問いが『罰』だと分かっている天使は、目を閉じて、悪魔に懺悔する。 くす。 「じゃあさ、何度、 腕の中の宝石が色を変えたことに気付いても、 腕も翼もその抱きしめる力が変わることは無い。 むしろ、より強い色を放つそれが逃げていかないように 更に深く抱きしめて、天使は真実を答えた。 ――― 何度も。
・・・こんな話なんです。 |