独り神 0


い、や。
たすけ、て。
たすけて、ライ、ド……。
……。




夢を、見る。

貴方が、泣いている。
泣いて、僕を、呼んで、僕の名を、呼びかけて、止める。


目覚めて、僕は、貴方を、探す。
もう、どこにも居ないと知っていて、それでも、探す。


いつからか、貴方の心の泣き声は、僕に届いた。
この地で、共にあった時には、哀しくも嬉しかった、その繋がりは。
今は、ただ、この心と身体を引き裂く、激しい痛みにしか、ならない。


その悲鳴を聞きながら、僕は、何をすることも、できず。
ただ、貴方の痛みを思って、貴方の哀しみを感じて、喘ぐ、だけで。
自分の無力さに、打ちのめされる、だけで。



ああ
その苦しみは、思い出せない"あの夢"と、きっと同じ。

おそらく
貴方が封印していった、"あの夢"、と。




でも。今度こそ。

もう一度、呼んでくれれば。
きっと、今度こそ、貴方のところに、辿りつけるのに。
僕の名を、最後まで呼んでくれれば、きっと。




でも。いつも。

夢の中ですら。
貴方は、僕を、最後までは、呼ばない。




けして、呼ばない。


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