堕天 7




イ・・・や
いや、だ
いやだ

サワラナイ、で
さわらせないで
だれにも

そんなにヤサしい目で
見ないで
だれも

あのウデは
あのくちびるは
ぼくのもの

あの人がわらいかけるのも
あの人がササヤきかけるのも
あの人がダきしめるのも
僕だけ、だ

ユルさない
ゆるさない
許さない




モニタの前で、クズノハの"気"が変わっていくことに気づいたルイは、
モニタの中で変わりつつあるモノと見比べて、満足そうな笑みを浮かべた。


◇◆◇


「堕ちた、な」
「ええ、ロキ。でも彼にとっては至上の幸福でしょう」
うらやましい、とクー・フーリンは呟く。

「全部、シナリオ通りだと思うか、クー・フーリン」
「・・・恐らくは。もちろん主様ではなく、あの御方の、ですが」

「シュラが片腕をウリエルにやっちまったときには驚いたが」
「その後のウリエルの猛攻による損害を差し引いても」

「天軍をその将ごと堕とし、闇の勢力に加えることでのリターンは測り知れない、か」
「これで戦況は圧倒的にこちら側に有利となりましたね」

恐ろしい方だ、とロキはボソリと言い、
・・・本当に主様は、最強最悪の悪魔でいらっしゃる、とクー・フーリンは俯いた。



◇◆◇




愛する悪魔に口づけられた大天使の白い翼は、
血に染まった赤から、ゆっくりと黒く染まっていく。



自分以外のモノに癒しの口づけを与えるシュラを見た白狐の気は
無垢で脆弱な白から、強く輝く黒へと変わっていく。



黒く黒く、闇の色に染まっていく白いモノ達。





―――それは、愛しい混沌の悪魔の傍に居るためだけに。



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Ende