Iris Garten 02





しばらく たった ある日

「クズノハ。シュラが 呼んでるよ」と うれしげな ピクシー様に 言われて
急いで、お部屋に 走って いくと、中から ぼくを 呼ぶ シュラ様の 声が しました。


いつもと、どこか 違う 声でしたが、それは 確かに シュラ様の 声で。
大喜びで 部屋へ 入り、おいで、と おっしゃる その方の 胸に いつもどおり 飛び込んで。



いつもより、細い 腕の 中で ああ おやせに なったのだ、と 悲しく 思った その すぐ 後、
その お胸が いつもより 柔らかいのに 気付きました。



お力が 安定していないので、女の 容を 取っておられるのだ、と 後から 聞かされましたが。
その ときの・・・ぼくは・・・もう どう して いいか 分からなかったよう、です。




ただ。

柔らかい お胸に 埋もれたまま、呼吸困難に なりそうな ぼくに 気付いて。

「ごめん。クズノハ。久しぶりに 会えたから、嬉しくて」
と、ほほえまれた シュラ様が、チュと ぼくの 鼻先に くちづけられたときは。




・・・確かに、息が 止まって、死にそうなほど、幸せだったのは、よく、覚えています・・・。




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