KO 01



パチパチと、軽いキータッチ音。

そのスピードと、音色だけで、もう、誰の打音か、僕には分かる。


小さな溜息をついて、僕は、今日もそっと、彼を視界に入れる。

無駄な力の入らぬ、ピアノでも弾くような鮮やかな指使い。

納得の行くコードができたのか、弧を描く優しい灰色の瞳。




あの眼で見つめられるモニタは。

あの指で触れられるキーボードは。マウスは。

端末の彼ら、から、彼の愛撫の全てを手に入れるCPUは。

今、どれほどの悦びを感じていることか。と。

無機物にすら、嫉妬を感じる己は、本当に、愚かしい。



そんな、ふうに。

今も昔も、貴方は無意識で他者を服従させることに、長けている、と。

そして

何故、いつも、僕は、「服従させられる側」に、居ないのだろう、と。

自分でもよく分からぬ想いを、抱いていたから、なの、だろうか。




あんな、”夢”を、見たのは。





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初夢でhime初めの予定