パチパチと、軽いキータッチ音。 そのスピードと、音色だけで、もう、誰の打音か、僕には分かる。 小さな溜息をついて、僕は、今日もそっと、彼を視界に入れる。 無駄な力の入らぬ、ピアノでも弾くような鮮やかな指使い。 納得の行くコードができたのか、弧を描く優しい灰色の瞳。 あの眼で見つめられるモニタは。 あの指で触れられるキーボードは。マウスは。 端末の彼ら、から、彼の愛撫の全てを手に入れるCPUは。 今、どれほどの悦びを感じていることか。と。 無機物にすら、嫉妬を感じる己は、本当に、愚かしい。 そんな、ふうに。 今も昔も、貴方は無意識で他者を服従させることに、長けている、と。 そして 何故、いつも、僕は、「服従させられる側」に、居ないのだろう、と。 自分でもよく分からぬ想いを、抱いていたから、なの、だろうか。 あんな、”夢”を、見たのは。 next→ 現代パロ部屋top 初夢でhime初めの予定 |