その後、あっさりと壁を通り抜けたシュラ達は、これまたあっさりと結界源を叩き壊した。
「あれ、ちょっと叩いたら壊れたけど」
「おいおい。オレたちは出番無しかよ。せっかく来たのによ」
「失礼な物言いをするな。主様のお力が強いゆえだ」
『……やはり、どうも緊張感が無いな』
「……そうだな」
何やら、脱力感まで覚えながら見守るライドウとゴウトだったが、次の瞬間。
ブオン!
結界源が壊れれば、本来ならば即座に消えるはずの壁が変質した。
『ライドウ!』
「出でませ、ヨシツネ!!」
ライドウ達は壁の前まで走り寄った。
「このような前例は無かったが。ヨシツネ、単独捜査で調べて来てくれ」
「了解!お前はここに居ろよ!」
『見目麗しき男悪魔、であるからな。ヨシツネで問題なかろう』
「の、はずだが」
心配そうにライドウはヨシツネの様子をうかがった。
だが、
「「見目麗しき女悪魔以外は通ることまかりならん」」
「「汝は……条件に違えるもの。死ぬがいい」」
「なにぃ!」
『なんだと!』
「バカな!!」
壁は触れた瞬間にヨシツネに致死のダメージを与えた。
「管に戻す!食いしばりをつけてある、死にはしない!!」
『それはいいが、どうするのだ!まだシュラ達は中だぞ!!』
「まずは説明を。それから対策を考えねば。知らずに触れればシュラが・・・」
『うむ。 ……! ライドウ、この壁、動いているぞ!!』
壁はゆっくりとシュラ達のいる結界源のかけらが散らばる方向へ、動いていた。
袋小路になっているその場所へ。