「まったく、こちらの私は何をしているのですか」
不本意、と顔に貼り付けたような表情で、クー・フーリンはライドウを回復させ、衣服を整えた。
「あのようなモノ達で主様のお手を汚すなど、槍で串刺しにしてやりたいほどですよ」
常に無く辛らつな物言いは、恐らく彼なりにライドウを心配しているのだろう。
そして、そのライドウは。
驚愕に眼を見開いたまま、呆然とシュラの戦う様を見ていた。
『む。悪魔が使えないから、自分達で……か。無駄なことを』
ゴウトが言うように、銃や剣を持ち、自らの得物でシュラを倒そうとするダークサマナー達の前に、
シュラの召喚したギリメカラが立ちふさがる。
「何だ。こいつは」
「うわぁぁ。攻撃が反射される」
「いてぇ。いてぇよぉ」
「ひるむな。魔法を使え」
「そうだ。こいつら新種の悪魔共を捕らえれば、どれだけの稼ぎが見込めるか!」
既に初めの目的を見失い、目先の利益に眼がくらんでいる醜い人間共に、シュラの眉根が寄り、
仲魔たちが憤る。
「特にあの刺青のある人型の悪魔だ。あれだけの力と美しさがあれば、売値は青天井だぞ!」
そう叫びながら、仲魔の一瞬の隙をついてシュラに切りかかろうとした男の刃はキン、という音と
共に空中へ飛ばされた。
「な、お、お前は」
「その汚い手でシュラに触れるな」
「十四代目葛葉ライドウ!!」
その黒ずくめの痩躯から迸る、すさまじいまでの怒りと殺気。
対峙しただけで腰が抜けた男を見て、他のダークサマナーも戦意を喪失した。