片恋 2




……は?

……え?

と思う間もなく、釜鳴姉さんはロヲド中央付近に跳んでいき、すぐに多数のオトメを連れてくると、
そのままシュラとライドウを確保した。

「え?えぇぇ〜?ちょ、ちょっとお姉さん達?!」
「いやん。お姉さんって呼ばれちゃった〜。嬉しい

「な、何を。一体何なんですか!」
「いいからいいから。任しておきなさい!!ライドウちゃんの気持ちは分かってるわよ!」

何が何やら分からぬうちに、あれよあれよと建物の中に二人とも連れ込まれ。

じっとしてて〜。動いちゃダメよ。すぐ済むから。色は何がいいかしらね〜。
って、うわ。え、何をする気ですか!
きゃーきれいな肌!触っていいかしら〜!!いやーん。すべすべ!!

シュラ?!一体何をやってるんですかっ!!って、うわ、どこに連れて。
貴方はこっちよ〜。貴方は着替えるだけでいいけど。残念〜。貴方も化粧したかったわ〜!!
だから、何の話ですかっ!!

……悪魔召喚皇、のみならず、混沌王をも黙らしむる、異世界オトメパワー恐るべし。
後は、じったんばったんどったんと派手な音がしばらくの間、続いた。



「うんもう!ライドウちゃんったら、着替えてって言ったのに!!」
不満そうに口を尖らす釜鳴姉さんに、ライドウも地の底を這うような声で返す。

「特別な事情も無く、他の衣服に着替えるわけにはいきません」
「真面目なんだから。もう!」
でも、そこがいいのよね〜。まあ、その服でもいいわ。それはそれで寛一お宮みたいよね
「?」
意味不明な言葉を桃色がかった声で呟かれて、寒気と共に疑問を感じるが、それよりも
「シュラをどうしたんですか?」
優しかろうが天然だろうが混沌王。ナニがあるはずも無かろうが、姿が見えないのは不安である。

「やっぱり気になるのね〜。ああ、いいわ〜。初恋を思い出すわ〜」
……やはり発言内容は謎である。

「大丈夫。そろそろ支度もできた頃だから、連れてくるわね!」

バタバタと出て行った後に、ふうと息を吐き、あらためてライドウが室内を見回すと。

……え?

場所柄から考えて当然と言えば当然ではあるのだが。
このまっ昼間から布団?……一つ布団に枕が二つ……?

……これ以上思考を動かすときっと大変なことになる、と回路をフリーズさせたライドウの胸に

「「「「「「おっ待たせ〜!!」」」」」」

という声と共に、心身共に解凍、どころか沸騰させるモノが投げ込まれた。



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