……は?
……え?
と思う間もなく、釜鳴姉さんはロヲド中央付近に跳んでいき、すぐに多数のオトメを連れてくると、
そのままシュラとライドウを確保した。
「え?えぇぇ〜?ちょ、ちょっとお姉さん達?!」
「いやん。お姉さんって呼ばれちゃった〜。嬉しい♥」
「な、何を。一体何なんですか!」
「いいからいいから。任しておきなさい!!ライドウちゃんの気持ちは分かってるわよ!」
何が何やら分からぬうちに、あれよあれよと建物の中に二人とも連れ込まれ。
じっとしてて〜。動いちゃダメよ。すぐ済むから。色は何がいいかしらね〜。
って、うわ。え、何をする気ですか!
きゃーきれいな肌!触っていいかしら〜!!いやーん。すべすべ!!
シュラ?!一体何をやってるんですかっ!!って、うわ、どこに連れて。
貴方はこっちよ〜。貴方は着替えるだけでいいけど。残念〜。貴方も化粧したかったわ〜!!
だから、何の話ですかっ!!
……悪魔召喚皇、のみならず、混沌王をも黙らしむる、異世界オトメパワー恐るべし。
後は、じったんばったんどったんと派手な音がしばらくの間、続いた。
「うんもう!ライドウちゃんったら、着替えてって言ったのに!!」
不満そうに口を尖らす釜鳴姉さんに、ライドウも地の底を這うような声で返す。
「特別な事情も無く、他の衣服に着替えるわけにはいきません」
「真面目なんだから。もう!」
でも、そこがいいのよね〜。まあ、その服でもいいわ。それはそれで寛一お宮みたいよね♥
「?」
意味不明な言葉を桃色がかった声で呟かれて、寒気と共に疑問を感じるが、それよりも
「シュラをどうしたんですか?」
優しかろうが天然だろうが混沌王。ナニがあるはずも無かろうが、姿が見えないのは不安である。
「やっぱり気になるのね〜。ああ、いいわ〜。初恋を思い出すわ〜」
……やはり発言内容は謎である。
「大丈夫。そろそろ支度もできた頃だから、連れてくるわね!」
バタバタと出て行った後に、ふうと息を吐き、あらためてライドウが室内を見回すと。
……え?
場所柄から考えて当然と言えば当然ではあるのだが。
このまっ昼間から布団?……一つ布団に枕が二つ……?
……これ以上思考を動かすときっと大変なことになる、と回路をフリーズさせたライドウの胸に
「「「「「「おっ待たせ〜!!」」」」」」
という声と共に、心身共に解凍、どころか沸騰させるモノが投げ込まれた。