「……あ。あぁ、……や。ぃや。あ。い、いぃ……っ」
ああ、何て甘やかな声で、啼いてくれるのですか。でも、まだ、少し、苦しそうですね。
さっきのときに、解してはおいたの、ですが。足りません、でしたか。でも。それでも。
僕の指で悦びを得て。貴方の肌は色を変える。そして僕もまた。
「あ。……そ、こ。い、ぃ。……あぁ、イ……ッ!」
すみません。まだ、そう簡単に、どこにも、いってほしくないのです。
どうか、もうしばらく、キレイな声で囀る貴方を、見せてください。
嘘吐きな貴方が、僕の腕の中で本当のことを言ってくれる、数少ない機会、ですから。
「い、いかげん、に。い、かせろっ!……う、ぁあ。や。いや、だ、やめ……っ」
ああ、もう、愛したいのか、苛めたいのか、壊したいのか。それすらも判断がつかない。
こんなに、心が千切れそうなほど、惹かれるなんて。
今、貴方は何を考えて、僕の腕の中で、甘い声をあげて、いるのですか。
ふと、知りたくて。気を凝らしてみて、聞こえたのは。
「っ」
目の前に驚いたような金色の光。
いきなり僕が動いたから、驚いた、のですか?
それとも、「他の何か」に気を取られていて、「僕」に驚いた?
「今、何を、考えていましたか?」
落ち着けと、頭は言う。でも、心が言うことを聞かない。
ひどいひどいひどいひどいひどい。ひどい。僕の腕の中で貴方は、他の……。それも。
「へ?……か、漢字のこと?……って、おま、え……っ!」
嘘吐き。悲しくて悔しくて愛しくて苦しくて、解す指を増やす。
のけぞった首に噛み付いて、吸い上げて、まだ追求を続ける。
「質問を、変えましょうか」
今、「誰」のことを考えていましたか?
僕、ではない、「誰」の、ことを。……この、裏切り者。
ああ、この耳を噛み千切ってやりたい。二度と僕以外の声が届かないように。
「……」
答えない彼に、更に妬心がつのる。ならば、答えるように。
「シュラ?」
「……っ」
嘘をつけないように、するまで。
「……え、と。昔の、友達の、こと、とか」
「他、には?」
「雷堂さん、」
その言葉だけは、聞きたくなくて、唇でその残酷な口を塞いだ。