凪 2



「シュラ!凪!」
荷物の山と共に探偵社の扉を開けたライドウが見たものは。
興奮する2体の妖精と、呆然とする凪。そして右手を押さえながら苦笑するシュラ。

「もー。凪さんの妖精さんも、ピクシーも!こんなところで魔法合戦なんてしない!」
めっ!と叱るシュラにピクシーがむぅと言い返す。

「だ、だって!この子ったら、シュラが見えない振りしてあげてるのをいいことに、私のシュラに触ろうとしたのよ!!」
「な、何よ!触ったって、減るものじゃなし!!こんなきれいな子を見て、触らないでいろってほうが無理でしょ!」
「まーだ、懲りてないのかな〜。この小娘は〜!!レベル差考えてもの言いなさいよ!」
「何よ!!たかがピクシーのくせにメギドラオン持ってるアンタが変なのよ!能力オール30なんて、変態よ!変態!」
「何ですってぇ〜!今度こそぶっ飛ばしてやるわ!」
「それはこっちの台詞よ!」

「あー、もう、そこまで!これ以上続けたら、帰還させるよ!ピクシー!! あと、君も!
力あるモノは、周囲を気遣う義務がある!それを弁えないものに力を持つ資格は無い!」
そう叱責の声を上げるシュラの瞳は金色。

それを見た二体の妖精は、そのまま一言も口を聞けずにしゅんと項垂れた。



「つまり、シュラをこっそり触ろうとした凪のハイピクシーと、それに切れたピクシーが、アギダインとジオダインをかけあったと……。」
少々の脱力感と共にライドウは状況を確認する。

『しかしアギダインとジオダインを室内でぶっ放したにしては』
とゴウトは探偵社を見回す。
「被害がほとんど無いような」
とライドウも辺りを見回す。

その言葉に凪が我に返り、シュラに駆け寄る。
「シュ、シュラさん!手は、手は大丈夫の……」
「凪?」
シュラの手を確かめようとする凪にライドウがその故を問う。
「シュラさんがこの子達の魔法を手で受け止めてくださって」

「な、!――― シュラ!その手は!?」
「あ〜、マサカドゥスつけてなかったからね。ちょっと痛いかな」
炎と電撃の上級魔法を一度に受け止めたその手はズタズタになっていた。


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この二体も会わせたかったんです。