ティアマット 13



「ウリエル!」
(・・・シュラ、様?)

「しっかりしろ!ウリエル!」
(私、は?)

「・・・どうやら、気がついたみたいだな」
正常な"気"を感じて、シュラがはぁと大きな息をつく。

「わた、しは、いったい」
ぐい、と主に肩を抱きすくめられ、ウリエルが呆然と呟く。

クス。
「・・・感じすぎたって、ヤツ?」
良かった。とうとう狂っちゃったかと思って、心臓が冷えた。

「あ」

自らの痴態と、その凄まじい感覚を思い出し、震えて戸惑う天使の髪をそっと悪魔が撫でる。

うっとりと、その優しい動きに目を閉じ。
その手に応えようとして、ふとウリエルは自分の手に違和感を感じた。

(何か、濡れている、ような?)

両手に何か滑るような感覚を覚え、同時に何かの匂いに気付く。
これは、戦場で必ず知覚した、匂い。なぜ、今、こんな、ところで。私の、手に。

(ま、さか)


「!やめろ、目隠しを取るな、ウリエル!」

気付いたシュラの制止がかかるのと、ウリエルが目隠しを取り去ったのはほぼ同時だった。








この部屋に入って初めてウリエルの視界に入ったのは


焦ったように心配そうな瞳で自分の顔を覗き込む、愛する主の顔。




そして

その愛しい主の血で真っ赤に染まった自らの両手




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この話の間、後書きは基本反転です。

んー。引っ掻いちゃったんですね。洒落にならないほど。
いや。閨までマサカドゥスつけるほど野暮じゃないです。混沌王。

キリがいいので、短めです。すみません。