Deadmen 3




アメジストの肌に金鎖の髪。
瞳は、ブルートパーズ?アクアマリン?

女性体の、オマエって、きれーだよな。カラフルで、ゴージャス。

ふふ、と微笑んで。くるん、と、ワタシ(・・・)の髪を指に巻きつけ、弄びながら、耳朶に囁いてくる主に。

――― そんなコト、アナタにだけは言われたくない、と、ワタシは思う。

象牙に黒玉、ルビーに変わるエメラルド。
銀、金、赤の魔力をきらめかす至宝を二つ、その瞳に、嵌め込んで。

柔弱が故に砕けることすらできぬ哀しい最強の芸術品は、黙ったままのワタシを心配そうに見る。

「どした?・・・疲れたのか?」

ゆるく首を振るワタシの金の髪は、アナタの腕の中で揺れ、アナタの指からするりと落ちる。

――― ああ。
せっかく、アナタから指を絡めてくれたのに、と、残念に思う思考も。
どうして、この現象をアナタは惜しんでくれないのか、と、恨む気持ちも。
おそらく、あの人間が相手なら、アナタはその黒髪を死んでも離さないのだろう、と、妬む心も。

オンナならではだな、まったく、ほんとメンドクセー。と自嘲する心は、オトコならではだ。

「ロキ?」

また心配そうな、声。
今日は何だか変だよ。本当に大丈夫?と、耳元をくすぐる声。髪の生え際を甘くなぞる指。

「・・・っ」

なあ、オマエ、それすげー感じるって、分かっててやってないか?オレの最強最悪のアクマさま。

ああでも。分かる。
まだ、アナタの中は黒が勝る。
偏ったBalanceはアナタを内から壊す。
たとえアナタが本心では壊れたがっていると分かっていても、ワタシ達はそれを認められない。


――― で。だな。

結局。ワタシはいつも、何もかもを内に沈めて、アナタにこう言うしか、ないのだ。

「何でもない。だから、もう一度、シテ」と。






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