「、ド、ぅ・・・ッ」
――― この、最凶最悪のクソアクマが・・・っ!
耳を塞いでしまいたい、いや、いっそこの音を発する喉を絞めて、と、何度願ったかしれない。
違うモノの名を切なげに叫びながら自分の中を泳ぐ少年を、快感に揺らされる女は悲しげに見る。
まだ、救われるのはオレがワタシ、だ、からか。オトコの絶頂は短い、からな。
この忌名を聞くのも、数回で、済む。
(ああでも、そのたった数回で、ワタシの心は殺されるのだ、けれど)
――― くそ。この雌の体はこんなに、コイツの肉も精も受け入れて、悦んでやがる、のに。
ココロはいつも、こうやってズタズタに裂かれて捨てられて踏みつけられて、叫びやがる。
(殺さないで。ワタシを、殺さないで、と)
「・・・い、どっ」
「あ。・・・い、いぃっ!!シュ、ラッ!」
ああ、でも、その痛みすら。
イイと思っちまうんだから、オレも末期だ。
「あっ、シュ、らぁっ!もっ・・・とぉ!!」
深く突き上げられながら、クーはどうしてやがるのだろうと、ふと、思う。
オンナのこいつを相手にする、アイツは。
オンナのそれは、長い。・・・いや、というよりも、相手の愛情と技術次第で短くも、長くもできる。
そして、クーの愛情が短いわけも、ない。
なにしろ150人分だ。
クッ。自分で自分の地獄の滞在時間を決めさせられるのか。
それは、それで、何てまあ、酷い。
仕方ない、か。だって、俺達の主は、最強最悪の、アクマ様、だ。
「あぁっ、シュ、らぁっ!!」
「ら、い、」
重ねられてきた唇と、深く甘く絡められる舌に、とりあえずワタシは安心する。
少なくとも、音ではもう、“その名前”を聞かなくて済むだろうと。