Iris Garten 10






美しい 文様の 光る 御手が 

小さな 四角い 指の 窓を 作られた 

あのとき




ぼくには、その 窓の 中に

きれいな 哀しい 童話を 語られる シュラ様の、お顔が 見えました。



その 瞳も、その 声も、とても 悲しそうで。・・・寂しそうで。

ぼくの 心の どこかが、 きゅうきゅうと 痛みました。



そして



シュラ様が、こんな お顔を されるほどに 会いたい 人とは、誰だろう、と、

その人を ひどく うらやましく 思いました。




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