サクラモリ 04






ライドウ


ライドウ、起きて


ライドウ







愛しい声に促されて、瞳を開けた男の視界に入るのは。
見慣れた、いや、見慣れたはずの灰色の瞳。心配そうな・・・どこか辛そうな。


「・・・シュ、・・・カオルさん?」

「起こしてごめんね。・・・ひどく、魘されてた、から」

大丈夫?嫌な夢でも見てた?・・・ああ、ひどい寝汗。

手ぬぐい濡らして持ってくるね、と、立ち上がろうとする妻の、その華奢な手を。



夫はその白い手で強く、



――― 掴んだ。






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続きます