月蝕 07











今でも、昨日のように思い出す。別れのときの、こと。貴方の言葉。









――― こんな奴、俺はいらない。

「俺は俺の影なんか、いらない。そんなのより、違う願いをしたい。閣下」


そんな、こと。
分かっていた。分かっていても、呼吸の仕方を忘れた。
怒りも悲しみも愛しさも悔しさも憎しみも何もかもが、ぐちゃぐちゃになって僕の内を満たした。

殺して、やりたい。
そう、思った。






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