――― こんな奴、俺はいらない。 「俺は俺の影なんか、いらない。そんなのより、違う願いをしたい。閣下」 そんな、こと。 分かっていた。分かっていても、呼吸の仕方を忘れた。 怒りも悲しみも愛しさも悔しさも憎しみも何もかもが、ぐちゃぐちゃになって僕の内を満たした。 殺して、やりたい。 そう、思った。