えうれか 04




君は、何もわかっていない、人修羅。

それは、少し前の、私と、同じく。



少し前の私が目指したのは、皆で平和に過ごせる、世界。

弱いマネカタの 弱いマネカタによる 弱いマネカタのための世界



でも、人は、本当は、平和など求めてはいない。

ただ、「本当に大切なもの」を守る為に、平和という前提条件が必要な場合が多い。それだけだ。



人は、「本当に大切なもの」の為なら、どんな手段でも使う。

愛の為、自由の為、平等の為、と言いながら、他者を犯し奪い蹂躙し、

それを正義だと、真理だと、神の意思だと、ぬけぬけと、言う。


・・・それが、人。コトワリを啓けるヒト。


ほら、そう思えば、シジマもヨスガもムスビも、何と「人間らしい」ことか!


だが、人だった頃の私は、「本当に大切なもの」すら、見失ったまま見つけることができなかった。

だから、マネカタになった。きっと、他の者もそう、だったのだろう。

・・・あのサカハギも。




なぜなら「本当に大切なもの」の定義は、きっと。

“自分が自分として在る為に、必要不可欠な、何か”

「それ」が見つかるまでは、“自分”にすら、なれない、己の拠り所。




この身が残ったのは、このままで朽ちるのは嫌だと、強く願った故か

あるいは

より高きところにいます御方の、恩寵か、はたまた、呪詛か。




いずれにせよ、私は「それ」を求めて、皆の指導者としての地位を求め。

皆からの親愛、信頼を受け、その気持ちに応えることで、虚ろな己を満たそうとした。

・・・けれど。




けれど
満たされなかった

だから
敵わなかった


あの女の想いの強さに

・・・「本当に大切なもの」を得たコトワリの強さに




けれど、人修羅。

君に新しい生を受けた鬼神としての私は、やっと「それ」を見つけたのだよ。




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※当然ながら、「人民の人民による人民のための政治」 パロ